第2回 202064

「ねえねえ、それで組み立ててみない?」

会話の中のほんの些細な一言から、アイディアが一気に広がる。クリエイティブが始まる。そういう「歌が生まれる瞬間」がZoomの動画で記録されているのは、ひょっとしたら、かなり貴重なことなんじゃないだろうか?

2020年6月4日。この日のミーティングには、「今日から、ここから」という曲の“種”が芽吹く、そんなマジカルな瞬間が記録されている。

みんなギスギスしている。まずはそれを感じ取らなきゃいけない

初夏の陽気になってきた頃。前日に誕生日を迎えて56歳になった亀田誠治といきものがかりの吉岡聖恵、水野良樹、山下穂尊の3人が再び集まった。前回のミーティングを受けてメールで共有された“亀田メモ”には、こんな言葉が。

「今の僕らの気持ち〜おそらくコロナに支配されている〜と、リスナーの気持ち〜おそらくコロナに支配されている〜を、例えば30年後、30年前にも共感する『うた』にするために、何が必要か? いきものみんなの思いを聞きたい。直感でいいです」

「今、一番言われたい言葉。今、一番言いたい言葉。って何だろう?」

果たして、どんな歌を作ればいいのか。何を軸にすればいいのか。手探り状態の中から、それぞれが思いを持ち寄るところから話は始まった。

まずは水野が、自身の作ったスライド資料をもとに、コロナ禍の社会のムードについて語っていく――。


亀田先週に話したことを踏まえて、水野くんが詳細なロードマップを作ってくれました。これ、みんな共有できてる?

スライド画像スクリーンショット1

<水野が制作した資料>

水野普遍性がある歌にしたいというのは前提なんですけれど、まず今がどんな感じなのかについて、思い浮かべてみたんです。コロナのこともありましたけれど、この数ヶ月、本当にいろんなことが起きて、想像しなかったぐらい世情が不安定な状態になっていることは確かで。もちろんライブが中止になったり、僕らの身近なところで起きてほしくないことが起きてしまったのというのもあるんですけど、今はアメリカがとんでもないことになってたり、それ以外にも政治的な出来事も沢山あって、みんなギスギスしている。まずはそれを感じ取らなきゃいけないと思ったんですね。

まず一つは「分断」ということ。考え方の違いがあまりに見えすぎてしまっている。今までの災害や事故は、手を差し伸べる側に回れる余裕のある人たちがいたと思うんです。でも、今回は全員が当事者になってしまっている。もしかしたら明日自分が感染するかもしれない、明日仕事が失われるかもしれないという危険をみんなが抱えている。緊急事態宣言もあって、目の前の生活もどんどん変わっていく人がほとんどだと思うんですね。それに、SNSでも「お前はどっち側の人間だ」みたいなことを常に言われているような感じが社会に漂っている。それでみんなトゲトゲしい気分になっちゃってる。そういう中で、ちょっと考えが至らなくて間違ったことを言ってしまったり、一度ミスしたら、人間性まで否定されてしまうみたいな怖さがある。そういう中で、みんな生きづらさを感じているのが今だと思うんです。

もう一つ、「自己の放棄」というのは、ちょっと小難しい言葉を使っちゃったんですけれど。特にツイッターって、みんな自分の言葉で喋ってない感じがするんです。誰かを批判するときも、褒めるときも、誰かの言葉を受け売りで喋っている。社会の空気としても、誰が正義なのかということにみんな敏感になって、自分で判断するのが怖くなってしまっている。

スライド画像スクリーンショット2

<水野が制作した資料>

水野それを受けて、じゃあ、音楽に何ができるかというと、分断とか、自分を放棄している状態をつなぎとめるような力が音楽にはあるんじゃないかと思っているんです。まず、分断というところで言うと、政治的にも、文化的にも、言語も違う人が、ひとつの音楽でつながることができる。考えの違う人たちがバラバラのまま眺めることができるのが音楽のいいところじゃないかと思ったんです。わかり合えない人も音楽という媒介を通して繋がることができるという。それに、音楽は個人それぞれの解釈が許されるもので。バラバラのまま楽しむことができる。そこが音楽って優しいなって思うんですね。で、もう一つの「自己の放棄」っていう方で音楽の可能性を見てみると、音楽の中に自分を見つけることができると思うんです。自分の物語に出会うのが音楽の大事な部分だと思うんですね。それに、ただ聴くだけじゃなくて、自分自身で歌って、他の誰かに投げかけることもできる。

あなた わたし みんな そして音楽

スライド画像スクリーンショット3

<水野が制作した資料>

水野そういうことを踏まえて「じゃあ日比谷音楽祭ってなんだろう?」って考えると、日比谷音楽祭は、フリーで誰もが自由に楽しめる音楽祭で、しかも公園という広場で行われていて、いろんな世代の、いろんな性別の、いろんな立場の人が来て、趣味も全然違う人たちが集まって、それぞれの楽しみ方で自由に楽しむことができる。そういうところが、日比谷音楽祭のすごく素敵なところなんじゃないかなと思うんですね。そして、中心に音楽がある。その音楽は誰のものでもない、みんなのものですよね。そういう音楽が真ん中にあって、それぞれの距離感を保って楽しんでいる。寛容で、ゆるくつながって、音楽を中心に眺めながら連帯している。そのゆるさが素晴らしいことだし、今、守らなきゃいけないことだと思ったんです。

スライド画像スクリーンショット4

<水野が制作した資料>

水野で、いろいろ小難しいことを喋ってられないんで、キャッチコピーみたいにすると「あなた わたし みんな そして音楽」。「あなたの」とか「わたしが」とかじゃなくて、そこに「あなた」「わたし」「みんな」がいて、真ん中に音楽がある。中心に音楽があって、みんなそれぞれの立場で楽しんでいる。それが尊重されて、何にも強いられずにその輪が広がっていく。そういうイメージが僕にはあって、その辺をとっかかりに曲を書いていくのがいいのかなって思って、考えをまとめてきました。

亀田ありがとうございます。この「あなた わたし みんな」って、いきものがかりの歌の中でものすごい頻度で出てくる言葉じゃない? そこに親和性を感じて今回、僕はいきものがかりとやりたいって思ってるんだけど。これって、いつ何時でも普遍的に響く、音楽のエンジンのような部分だと思うんですね。歌詞にしても、メロディにしても、音楽が響きあうということに根源的に作用してると思います。

水野軸がぶれてなければ、あとの枝葉は自然と生えてくるものだと思うんで、軸だけ間違えないようにと思ったんです。

観察日記 2020年6月4日収録 -その1-

全ての人が前に進んでいくしかない

水野に続き、吉岡、山下も、それぞれの視点からの意見やキーワードを語る。誰もが同じ時代を生きているということ。互いの距離が離れてしまって、再会が待ち遠しいということ。少しずつ話し合いは深まっていく。

亀田この軸に関して、みんなはどう思うの?

吉岡リーダーも書いてたけど、みんなバラバラなことを考えていたり、ぶつかってしまったりしている中でも、同じ時代を生きているっていうことがポイントだと思うんですよ。いろんな考え方があるけど、結局は、全ての人が前に進んでいくしかない。ある意味、そこは共通している部分なのかなっていう。コロナのこともあって、みんな新しい自分にならなきゃいけないし、新しい世界になっていくと思うから。

亀田たしかに。

吉岡みんなそれぞれの思いや個性もあると思っていて。私が思い浮かべたのは中島みゆきさんの「ファイト」っていう曲なんですけれど、あの曲はサビの前でいろんな人の個人の体験が書いてあって、それが思いのリレーみたいになってるんですよ。「あたし中卒やからね 仕事をもらわれへんのや」というところから始まって、いろんな体験が書かれていて。その体験はバラバラだけど、最後にみんなが戦ってるということがわかる。みんな踏ん張ってると思うんで、そういう共通点を歌うというか、バラバラだけど気持ちが重なる部分を歌うのがいいのかなあと思いました。

亀田今回の歌は、特にそこが軸になるだろうね。山下くんはどう?

山下個人的には「再会」っていう言葉が軸になるかなって思っていて。さっき亀田さんと「地元にはあんまり帰ってないですね」っていう話をしたんですけど、それも、たいした話じゃないようで、実は今の時代にも重なるし、世界中のいろんな地域に住んでる人にも重なることだなって思ってました。

亀田うんうん。

水野その通りですよね。みんなバラバラになったじゃないですか。コロナで一人ずつ孤独な状態になっちゃった。

亀田ソーシャルディスタンスとして離れたということね。

水野ただ、バラバラになったことで安心してる人もいるし、もとから孤独だった人もいる。その人たちの気持ちも大事にしなきゃいけないと思うんです。「故郷に帰りたい」とか「仲間たちにまた会いたい」って言っても、そういう対象がいる人は幸せで、世界が戻っても自分は孤独のままなんだという人もいる。そこについても考えていかなきゃいけない。

亀田山下くんの再会の話にも通じるんだけど、みんな「アフターコロナ」とか「ウィズコロナ」みたいな言葉でこれから先のことを表現しているよね。「もう今まで通りじゃないんだから」って言って過去に決別する。俺も「新しい形でレコーディングしよう」とか、いろいろみんなに提案しているんだけど、そのわりには、全然その部分が整理できていなくて。夢でも昔のことを見るし。記憶と思い出と、今までの人生と……昨日56になったんですけど。

水野おめでとうございます!

亀田ありがとうございます。ははは! ここでケーキが画面上に出るといいんだけどね(笑)。僕はそういう、自分が生まれた場所や育った場所への温かい気持ちがある。そういう自分の原風景、曲を受け取る人の原風景にもしっかりタッチしたい。そこの共通項というのは何だろうなあって考えたりします。

水野ずっと繋がってるってことですよね。途切れていないというか。

亀田そうそう。場所なのか、人なのか、思いなのか、それが何一つ途切れていない。もっと言うと、忘れたい記憶ですらも今の自分を構成している。今回って、かなり人の心の中を映し出す歌になっていく可能性があると思うんです。そういう中で「こういう人を置いていっちゃいけない」って水野くんも言った通り、人と会えなくなって良かったと思っている人もいるかもしれない。消し去りたい記憶も、ずっと持っていたい記憶も、人はいろんなものを持ち合わせている。そういう人に対しても救いの歌になりたいというのはありますね。

水野誰かを疎外したくないですね。

亀田僕がいつも言うのは「音楽は人と人とをなだらかに繋げる力がある」っていうことなんです。大事なのは「なだらかに」という部分だと思うんだよね。それが疎外しない、排除しないという意味になる。かといって「オール・トゥギャザー」という言葉でひとくくりにするのも配慮がないような気がするし。もしかしたら、個人的なストーリーや出来事が、一番多くの人に届いていく気もするね。

水野そうですね。シンプルにしたいんですよね。曲に入るまでは頭をフル回転して、いろんな小難しいことを喋るけど、曲はシンプルじゃないといけない。

観察日記 2020年6月4日収録 -その2-

夢の中なのに匂うんですよ。懐かしい匂いが

亀田が挙げた「原風景」というキーワードに対して、山下が「夢の匂い」について語る。そこから、ノスタルジーについて、今という時間について、議論が白熱していく。

山下こないだ田舎のおじいちゃんの家に帰った夢を見たんです。近所に当時あった古本屋に入った夢だったんだけど。夢の中なのに匂うんですよ。懐かしい匂いが。

亀田ははははは!

水野すごいね! それはすごい。

山下それってすごいなと思って。夢の中の懐かしい匂いだと思う感覚は、それに近いのかもしれない。

亀田俺も同じタイプの夢をよく見るんだけど、俺も山下くんと同じで匂いがあるの。温泉があって、ドーナツ屋さんがあって、横の道を下りていくと必ず白い砂浜の海がある。で、海に行くと潮の香りがする。温泉も、ドーナツ屋も、海も、全部自分の好きな場所なんだよね。

吉岡(笑)

亀田ノスタルジーを引っ張ってくる部分っていうのは大事かもね。それはメロディで表現できるかもしれないし。それに対して、亀田の言葉、水野くんの言葉、聖恵ちゃんの言葉、山下くんの言葉の、真ん中に重なるような共通の部分をですくい上げると、かなり強靭なものになるような気がするな。

水野冒頭に聖恵が言ったことがキーな気がしますね。結局、同じ時代を生きている、この瞬間を一緒に生きていることはみんな同じで。それぞれに抱えている問題があったり、孤独があるにせよ、明日が来るということに向き合っていかなきゃいけないというのはみんな同じだと思うんですよね。今という瞬間に一緒にいて、ここからスタートするということが共通点な気がするというか。

亀田うん。

水野日比谷音楽祭も、きっと来年か、再来年か、いつかやれる日が来ると思うんです。でも、こういうプロジェクトで「やれる日を目指そう」っていうのはゴールラインだと思う。みんな、その日を目指そうと頑張ってしまうけど、そうじゃなくてその瞬間から始まっていく。そっちの方がみんなが向き合える気がする。そこからスタートするというか。

吉岡うんうん。

水野さっき穂尊が言った匂いって、つまりは自分の記憶に結びついているノスタルジーで。そのノスタルジーをその瞬間の日比谷公園に持っていく。日比谷公園で味わった風とか匂いとか、そういうものがみんなのここから出発点の思い出になるんだよ、と。ライブで一緒に歌ったり、もしかしたら配信で観てる人もいるかもしれないけれど、この瞬間に一緒に集まって歌ったというところから、それぞれの人生がスタートする。10年後はみんなバラバラなんだけど、ふとその時の日比谷公園の風の匂いを思い出したら、それが帰れる場所とか思い出せる地点になる。そういうことを歌のテーマにできたらって思います。

吉岡今にスポットを当てるって、普遍性にも通じる気がする。その曲を過去に歌ってたとしても、30年後の未来に歌ったとしても、その時がスタート地点じゃないですか。

水野そうそう。だから、今という瞬間をスタートラインにすると、みんな平等になれるかもしれない。

亀田たしかに。これまでのことをゼロにしたい人もいれば、そのまま走り続けたい人もいる。でも今、この瞬間は同じだよっていう。

吉岡「今!」なんですね。

水野今、この瞬間からスタートするという姿勢は、わかり会える気がするな。

亀田この歌を歌っている瞬間はみんな今なんだよっていうことがちゃんと形にできたら、すごく力があるかもね。

吉岡これ当たり前のことですけど、ノスタルジーって振り返る思い出のことじゃないですか。ほっちが言った「再会」っていうのも、その前段があるから再会が成立するわけで。今っていうのも共通してるし、当たり前ですけど過去があるっていうのも共通している。誰にでも過去がある。途切れない人生を生きてきたというのもみんな共通かも。

亀田「今」をテーマにもう少し広げてみる?

水野非常に内容量の濃い話をしてますね。でも、少しずつ近づいている気がします。

亀田「今」という言葉って、いろんな使われ方をされているよね。「これ、今風だよね」みたいなことも言うし。その「今」という言葉にさえポジティブだとネガティブな捉え方が出来ると思うけど、僕らが設定した「今」ってゼロというか、始まりってことじゃん?

水野ゼロ地点ですよね。「今からスタート」っていうことと、聖恵が言った「過去を持っている」ということのバランスが取れたらもうちょっと深く行けると思うんですよね。「途切れてない」というのはすごく大事で。

吉岡鎖のようにつながっているとか、物事がバトンのように引き渡されていくとか、そんなイメージかな。

水野なんか、哲学みたいな話ですけどね。

リーダー、さっきなんて言ったっけ? 今日から? 今から?

そして話はメロディを作ってみようという方向へ。そんな中、水野がふと呟いた言葉が大事なキーワードになる。

水野これがこの歌の作り方として正しいのかどうかわからないけど、曲先にしてもいいかもしれないですね。あえて歌詞に手をつけないという。

亀田これだけ散々話しておいてね。

水野まず最初にメロディを確定して、アレンジも進めて、音像が見えてきて、だけど言葉の部分だけが空洞になっている、みたいな。

吉岡めっちゃチャレンジングだね。

亀田たしかに、言葉の持つ限定力はすごくあるからね。ここから先は議論の方向を曲やメロディの方向にシフトするのもありかも。

吉岡持ち寄る?

水野持ち寄るんじゃないですか。そこからスタートするかもしれない。

亀田一番小さいパターンだったら「今」という言葉に音程をつけるのでもいいしね。

水野ワンブロックにとどめておいた方がいいかもしれないですね。構成を全部フルで作っちゃうと、それが答えになっちゃう。みんなでシンガロングするようなイメージでワンブロック作って、そこを膨らませていくようなやり方にしてもいいかもしれない。ラフスケッチのようなものをみんなが持ち寄る。一人で完成させないほうがいいですよね。

亀田せっかくこの4人が集まってるからね。今、シンガロングって言葉が出てきたけどシンガロングする部分をイメージして作ってみる? たとえば2小節かもしれないし4小節かもしれないけど、「あなた わたし みんな」の、みんなの部分というのを……。

水野なんか……「今日から、ここから」って歌ってるだけで十分ですね。「今日から、ここから」って、ただ繰り返し歌ってるだけでも意味合いが出てきそう。

亀田ははははは! 面白いねえ。

水野それでアイデアを持ち寄ってみるのが良いかもしれないですね。なんか、どうしても尊敬する小田(和正)さんの顔が浮かんでくるんですけど……なんでですかね(笑)。

吉岡わかる、わかるよ!

亀田ははは、どうして?

水野なんか、あの人の通った道を通ってるな、みたいな。

亀田でも誰かが通った道だよ。

水野そうですよね。多くの人が考えて通った道を、僕らがまた通ろうとしているというか。

吉岡リーダー、さっきなんて言ったっけ? 今日から? 今から?

水野「今日から」とか「ここから」とか、そういう、本当になんでもない言葉を繰り返すだけでも意味が出てくるような気がするなって。

亀田ねえねえ、それで組み立ててみない? 数学みたいな話だけど、「今日」や「から」みたいなものは「X」とか「Y」みたいな入れ替え可能なものとして、作ってみない?

吉岡その言葉をとっかかりにして?

亀田そう。うわ、こんなことやったことないわ! えげつなかったら言ってね。

吉岡もう一回言ってください! 混乱、混乱!

亀田「今日から、ここから」っていう、今、水野くんが言った言葉でワンフレーズ作っちゃうわけ。将来的にこの言葉が変わる可能性は全然あり。

水野つまり、4文字・4文字のフレーズを作ってみるということですよね。

吉岡みんなで歌えるフレーズから作るんだっけ?

水野そんなイメージかな。

亀田結果的にはみんなが口ずさむだろうってことだよね。

水野メロディも難しくない方がいいですよね。口ずさめるっていう意味で。

亀田そこはみんな得意なところでしょう。

観察日記 2020年6月4日収録 -その3-

音符見えてますよ、みなさん!

キーワードが決まってから、話は一気に加速。4人の頭の中にはもうメロディが思い浮かんでいるようだ。

亀田じゃあ、「今日から、ここから」でやってみよう。

吉岡いいですね。キャッチー。

水野そんな芸人さんのネタありましたよね。

山下いつもここから、さんだ。

亀田フハハハ!

水野「今日から、ここから」をフックに、ワンブロック、何小節か作るということですね。

吉岡どの部分でもいいの? シンガロング部分?

水野何でもいいよ。とりあえずアイディア出してみよう。

吉岡浮かんできた、浮かんできた!

亀田俺も浮かんでる、今。これ、1人1個とはかぎらないでしょう。

水野もちろん。いくらでも。

亀田聴かせる方法はそれぞれにまかせるよ。その場に実演してもらってもいいし。聖恵ちゃんも、声だけでもいいし、ピアノと一緒のメロディにしてもいいし。

山下ニュアンス的には、ラジオのジングル作るくらいの感じですかね。

亀田長さとしてはそういうことだね。早くやりたい!! どうしよう?

吉岡来週、来週!?

亀田これはスタッフの皆さんに決めていただいて。

吉岡面白い!

水野みんな浮かんじゃってるから(笑)。

吉岡もうみんな考え始めちゃってる。音符見えてますよ、みなさん!

水野結果、最初に言ってたアルバムを作れるくらい、すごく沢山曲ができたりして(笑)。

亀田ははは! とにかく、それぞれ自分を発揮してくださいよ。これだけ沢山話し合ってるわけなので。僕たちが今深めている言葉とか関係をそれぞれの気持ちで凝縮すると面白いことになりそうだね。「今日から、ここから」。いいね、これは。

水野合言葉みたいに言えますね。「おつかれさまでした、今日から、ここから、頑張って!」って。

吉岡まさに、今も「今日から、ここから」だもんね。

亀田では、そんな感じでいきましょう!

文・構成/柴那典

観察日記 2020年6月4日収録 -その4-

今、ここ

メンバーが当時の事を振り返ります。
「今、ここ」でのつぶやきです。